シノの将棋研究所

将棋理論

将棋を指している時、ここでは攻めたほうが良いのか、受けたほうが良いのか、逃げたほうが良いのか等、指す手に迷った事がありませんか?
初心者の方で一手指しては長考、一手指しては長考・・・を繰り返している方を見かけますが、その方は将棋の理論的な考え方を知らないから一手一手に時間がかかってしまうのです。
将棋の理論とは例えるなら地図のようなものです(定跡にも同じ事が言えます)。
見知らぬ土地に旅行に行くとき、地図や案内人無しで行く方はほとんど居ないでしょう。
将棋盤の上で迷子にならない為に、将棋の理論的な指し方を覚えましょう!


攻めだけを考える局面

後手が△44角と桂取りに打った局面。
駒割は香損で、金を取られる形なので実質金損の局面。
駒損の局面で持ち駒を投資して受けても勝ち目は無い。
勝つためには攻め合いに持ち込みあやを求めるしかない。
私は▲23角と打った。
以下△42飛▲41角成△同飛▲52銀△同銀▲同歩成△同金▲53歩(結果図)と進み、以下△62金には▲52金、取れば▲65桂と取られそうな桂を活用できる。まだ悪いものの、△58香成とされた時に▲同飛で飛車が攻めに参加できる形になり、攻め合いに持ち込むことができた。


大駒を見切る瞬間

駒割は銀と桂の交換ながら歩切れ、そして飛金両取りに△57桂と打たれた局面。初心者の方は▲68飛等、飛車
を大事にしがちだが、中盤以降に両取りをかけられた瞬間は「手抜いてどうなるか?」から考える。
私は▲54歩と金を取った。「両取り逃げるべからず」、と「終盤は駒の損得より速度」の二つの格言に基づいた手で、後手は△49桂成では駒損しただけで終わるので△69桂成と飛車を取るしかないが、以下▲53歩成△74飛▲43銀△71飛(後手は攻めあいにできない)▲32銀成△同玉▲43金△22玉▲32金△13玉▲33金寄△同桂▲22銀△24玉▲33銀不成△25玉▲47桂△35歩▲54と△33飛▲同金△24玉▲34飛(結果図)と進み、寄せきることができた。


勝ちを諦めない指し方

駒割は金桂交換の駒損、飛角も押さえ込まれていて苦しい局面。
どちらかの大駒を犠牲にしてでももう片方の大駒を捌ける形にしなければ勝ちは望めない。
▲86同歩では△同角▲同角△同飛で、角は捌けたものの、飛車が押さえ込まれていて、角だけでは攻め返せない。
ここは飛車を使うために▲46角とする一手。後手の飛車はまだ遊んでいるので、お互いの玉側での戦いだけに勝機は十分にある。
以下は△87歩成▲45銀△47歩▲56銀(56の金を消せば捌きやすくなる)△48歩成▲同金△78と▲55桂△89飛成▲43桂成△同金▲36桂(敵の打ちたい所へ打て)△32桂▲49歩(これで先手玉が安泰となり、攻めだけ考えれば良くなった)△35銀▲55角△44桂▲同角△44桂▲37歩△77角▲45銀△36銀▲同歩△54銀△同桂▲33角成△同金▲42銀△33銀成▲同玉△45桂(結果図)と進み、逆転勝ちとなった。